マリコラム

2012年06月22日(金)

モノトーンの文化村からこんにちは!

  

    

 バスを待つ金髪のポニーテールの女の子、隣には真っ黒な髪を三つ編みにしたアジア系の女の子、そのまた隣にはおでこに小さな赤丸がしてあるインド系の女の子。

    みんな同じ学校の制服を着ている。 ――オーストラリアではよく見かける朝の風景。

 

 もし、自分が幼稚園のころから、クラスにいろんな色の髪や肌や目をした友達がいたらどうだっただろう。

学校での頭髪検査とかってなかっただろうな。

 

 小学時代からの親友のNちゃんは生まれつき髪の色がちょっと薄かった。 この髪がもとで、中学にあがると上級生から眼(ガン)をつけられていた。  「1年生のくせに髪の色変えて生意気」 と思われたのだ。

 

  担任の先生に相談しに行ったら、いっそのこと黒髪に染めてはどうかと提案されたのにはがっかりした。 それから天然パーマの男の子が、天然だという証明のために、頭から水をかけられるっていう珍事もあった。

 

 中学生らしいのは、髪が黒くてまっすぐなことなのだ。 みんな同じ。 目立っては困る。(いったい誰が?) 実際、誰が困るかなんて考えることもなく、私たちは成長してきた。 知らず知らずのうちに、みんな同じなのが正しいって意識を刷り込まれながら。

 

 学校の制服を脱いだ後も、この傾向は続く。 社会人になってからの職場いじめの原因は、この「目立っては困る」意識からくることが多い気がする。 いじめてる人は、すべての人が自分の価値観と同じだと安心するみたい。

 

 個性を認めないで、多数派がいつも勝ってる文化では、大きな発見とか意外な事実とかが見えにくい。 幼稚園のときから、砂場で一緒に遊びしながら、超自然に異文化交流している人たちと比べて、「国際化」ってものも肩に力が入りそう。 

 

「さぁ、みなさん、国際化時代の到来です。 英語をしっかり勉強しましょう。 頑張りましょう。 日本人の名に恥じないようにしましょう。 あ、そこの子、列からはみ出てますよ。 マエ~ナラエ!」

 

下からマリコラム解説:10年ぶりに読み返してみると、ちょっと皮肉っぽいですね(笑) ただ、オーストラリアに到着直後は、それだけこの多国籍クラスが新鮮に映ったものです。 授業の一環で、学生たちと現地の小中高学校を訪問することがありますが、クラスもいろんな国がミックスされていて、さまざまな意見が飛び交います。  いっぽう日本人の生徒は、とてもおとなしくて発言権が与えられるまで待っています。  あるいは与えられても、普段からしゃべり慣れてないせいか、なかなか自分の考えが出せません。 みんなと違ってたらどうしよう、と気にするようで、まず隣の席と答えを確認しようとします。   誰もが周りに遠慮なく思っていることをそのまま話せるって、実は成熟した環境のナセルワザなんですね。   でもそれも、それぞれが自分の考えを持っているというのが前提です。 

 


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投稿日時:2012年06月22日(金)4:21 PM

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