マリコラム

2012年08月08日(水)

世界の平和を考える=あの子が今日も笑顔でありますように

1998年の年末、イギリス留学中に出会った友達のイスタンブールの自宅にウルルン滞在したとき

 

 

 

20代の前半はとにかく、しっかり働いて稼ごう!

 いろんなことを吸収して知識を増やそう!

それを後ですべて生かそう。

 

――こう決めて、馬車馬のように(!?)働いた。

 

その後、海外でのんびり気ままにやったわけだけど、この「のんびり気まま時代」に得た知識っていうのは、編集者時代、新聞や雑誌から得た情報や知識と違って、肌で実感する国際関係論だった。

 

例えば、トルコ人の親友アイシュグがいなかったら、トルコでの徴兵制度のことなんて気にもしなかった。

 

彼女の恋人にもうすぐ兵役がくる。

そうすると3年は会えなくなる。

大好きだけど、いま別れたほうがいいのか、それとも待つべきか、よく相談された。

 

兵役の影で、泣いた恋人たちは限りない。

 

ギリシャ人のカーラは料理上手で、彼女のアパートでのお茶会やパーティによく誘ってくれた。

 

私の親友のアイシュグも誘っていいかというと快く、もちろん! と言ってくれたので彼女も誘った。

 

その日のパーティの帰り道、アイシュグがぽつりと

 

「カーラはたぶん私のこと、あんまりよく思ってないと思う」

とつぶやいた。

 

聞いてみると、昔からトルコとギリシャは戦争を繰り返してきたから、両国間は気まずい関係だからだという。

 

トルコはオスマントルコの時代にものすごい勢いで他国を攻めて領土を広げていったから、確かに敵は多いはず。

アジアでの日本の立場と似ている。

 

「それをいうなら、日本だって中国や韓国と気まずい過去があるのよ」 と話すと、すごく興味深くいろいろ聞いてきた。

 

外見は似てても、実は複雑な事情があるのね。 

 

でもやっぱり仲良くしていかないと始まらないね。 

 

過去を気にしてると前に進めないから。 

 

まずはカーラとアイシュグが心を開いて友達になればいい。

 

――そんな話をしながら夜は更けていった。

 

それから3人でよく遊んだ。 

 

知れば知るほど素敵な彼女たちだった。 

 

留学が終わって離れ離れになっても、トルコで地震があったら、心配で電話もするし、ギリシャで事故があったらメールで連絡をとる。 

東日本大震災のときも、すごく心配してくれた。

私が日本に住んでいないにもかかわらず。

 

こういう心理、行動の中には、国家間の駆け引きなんて存在しない。

 

人間として友達として、その人の住んでる場所の平和を願う。 

 

幸せを願う。 あたりまえのことだから。 

 

日本がこれ以上、どこの国とも喧嘩をしませんように。 

 

なぜなら、私の友達は世界中にいるから。

 

 

 

下からマリコラム解説: 最近、メルボルンを巣立っていった学生たちのFace Bookを見てると、まさにそういう時代が来たなあ、と思います。 世界中に友達がいるっていう時代。 ここで紹介したギリシャ人のカーラは2年前に、10年ぶりにメルボルンで感動の再会を果たしました。 

いつも心に太陽を、そして地球儀を! 


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投稿日時:2012年08月08日(水)12:15 PM

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