2012年02月24日(金)
コラム・ミニ 人間には言葉がある。
「人は自分と違うものを嫌う。そして同じものに安心する」――確か、大学時代の文化人類学の教科書で読んだ。 人間の防衛本能に拠るものらしい。
野生動物は食うか食われるかという弱肉強食の生活の中で、自分と違うものを避けて、同種で群れを作って生活する。
そんな本能を破るために、人間には言葉がある。 笑顔がある。 歌がある。 文化があるんだろう。
相手を知る、自分を知らせる、見た目は違っても、同じ人間同士なんだと知ればホッとする。 共通の言葉がわかればもっと楽にそれができる。 本能や習慣の壁を破るのが文化。
同種だけで固まって、自分たちだけしか通じない言葉で話している限り、その壁は厚い。 まわりから見るとそれは、かつてワンネーション党を立ち上げて、オーストラリアから白人以外を排除しようとしたポーリン・ハンソン女史の言う 「彼らは自分たちのゲットーを作り、同化しません」 となる。
でも同化までする必要なんてないだろう。 まあ、それは髪の毛を染めるくらいにして、それぞれのすばらしい文化を保ち、かつ他の文化も楽しむのがいい。
何よりも大切なのは、それらを理解し合うこと。
とりあえず、他人と目が合ったときの笑顔とHelloからはじめよう。
下からマリコラム解説:今回は短めのミニ・コラム。 たとえば、好きなファッションブランドがイタリア製だったり、フランス映画で涙したり、韓国ドラマにはまったり—- なにもその国に行ったことがなくても、私たちの身の回りには外国文化が溢れてます。 そしてその国に親近感が湧いてきます。 「おいしい!」「すごい!」「かっこいい!」 そう素直に思えることが実はそのまま、その国に対する垣根を低くしてるんだと思います。 スポーツ選手、ミュージシャン、俳優、作家。あなたの好きな文化人はどこ出身ですか。いつかその国を訪れたいと思いませんか。
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