2015年04月30日(木)
日本語が「やばい!」
言葉はコミュニケーションの手段。
「最近の日本語は乱れてる」と言われたりしますが、たとえ乱れていても、その言葉が自分の気持ちや何かの様子を表わすのにピッタリ来ているのであれば、確実にコミュニケーション手段として、その役目を果たしているということも事実です。
だからと言って、きれいとは程遠い日本語や、使い方が違う日本語を耳にしてしまうと、「あれれ」と思ってしまうのは私、歳のせい?
最近、私自身の日本語能力も段々怪しくなってきてます。
日に日に自信もなくなって来てもいます。
日本に一時帰国したとき、早口でしゃべられると聞き取れなかったりします。
それは認めるとして。。。。だからこそ、我が母国語を使う時には、細心の注意を払わなければね。
ところで、インジョイの学生さん達は、時々日本語を勉強している学生さん達との交流のために、現地の学校の日本語クラスにお邪魔をします。
オーストラリアの日本語教育の歴史はかなり熟して来ていて、日本語や文化を学ぶ人達も、もう折り紙、書道、きものなどといった「ザ・ 日本!」なものは初心者コース。
やはり若者達は、若者達の「ザ・日本ナ~ウ!(これも死語でしょうか)」を知りたいわけで、学校からは「今の若い人の興味のあることや、若者言葉について教えてください。」とお願いされます。
今年も、到着ホヤホヤの学生達を連れて、現地の名門男子校へ。。。畳の部屋まで再現されている日本語科目専用の教室で、学生達の楽しそうな様子を見ながら、私は、ふと去年のことを思い出していました。
歴史のある校舎も素敵な名門校
「リピート アフター ミー!」 「 や ・ ば ・ い 」 by 日本人の学生達
「YA !BA ! I!」 by オーストラリア人の学生達
日本人の学生達が、教壇に立って彼らの常用語、かの有名な「やばい」をオーストラリアの学生達に練習させています。
オーストラリアの学生達は「これこれ。これが聞きたかったんだ!」とばかりに、ニコニコうれしそうに「やばい!」を連発、もうクラスは「やばい」の大合唱。
若者達を止められる者は誰もいない勢いで盛り上がっていました。
この「やばい」ですが、実は江戸時代からある古い言葉で、しかも盗人達が「いやいや、あぶなかった~じゃねえか」という意味で使っていたそうです。
言葉の響きとしては決して美しい言葉ではないですよね。
しかし「やべー」「やっば!」とか、様々な活用形も含め、よく使われているところをみると、よほど、彼らの状況や思いを伝えるのに便利な言葉なのでしょう。
そして、これはある言葉が多用されるようになるとたどる自然な運命とでも言いましょうか、否定的な意味に使われていたものが肯定の意味、しかも強い肯定になる場合が多い。
「このラーメンやばっ!」て言うと、(とんこつのスープの味が薄くて、アツアツじゃなくて、チャーシュー腐っている!)という意味にもなるし、(地元博多のお店と同じ懐かしいお味でピカイチに美味しい!)という意味にもなる。
「英語にも同じような言葉あるかな~」と雑談していると、お隣のデスクにいる麻里子さんから「wickedなんてそうだよね」と基礎英文法の先生顔で即答が返って来ました。
どんな両極端の意味に使われているのか調べてみてくださいね!
さてさて、「やばい」の連呼に見送られながら、名門男子校を後にした私達でしたが、問題は、日本人の学生の英語力と準備不足で「やばい」の正しい使い方(?)がオーストラリア人の学生に正しく伝わったかどうが不明なこと。。。。
そこは経験豊かな日本語のR先生がフォローしてくれることを祈っています。
やばいボーイズと。。